入社2年目の事務系OLです。週末になると頭痛が起こるためセデス やナロンエースを頻回に飲んでいますが最近効かなくなりました。 病院で頭痛の治療が出来るのでしょうか、受診した方が良いでしょうか?
片頭痛は軽症と重症で使うお薬がそれぞれ異なります。適切な治療薬で治すことも出来ますので重症の方は頭痛外来のある病院を受診して下さい。

 「慢性頭痛」と総称される頭痛もちの頭痛には片頭痛、緊張型頭痛、群発頭痛などがありますが病院を受診される方の殆どは片頭痛の患者さんです。閃輝暗点を中心とした視力の障害や食欲亢進などの自律神経障害を前兆とし、頭痛期には脳内の血管が拡張して痛みに関連する種々の物質が放出されるとともに、血管に分布する痛覚感受性神経が刺激され重症の頭痛が生じると考えられています。
 日本では未だ十分な慢性頭痛の医療が行われておらず片頭痛が一つの病気であり治療すべきものとの社会的認識が低く、「頭痛もち」としてあきらめている場合が多いようです。市販の鎮痛薬の乱用も決して少なくありません。片頭痛の有病率は15歳以上の人口の約9%でこのうち68%の患者さんは頭痛の強さが寝込む程で障害度が強いと考えているにもかかわらず、仕事や社会生活を犠牲にしないよう我慢しています。病院の受診率は有病率、支障度の高い20〜30代で40人中1人と極端に低く最も医療を必要とし仕事で活躍してほしい患者さんが受診されていないことになります。  片頭痛の治療は予防薬と頓挫薬に大別されますが、今年9月に4番目のトリプタン製剤マクサルトが発売になり更に治療が容易になってきました。軽症の方はセデスを中心とした頓挫薬で、中等症の人はミグシスを中心とした予防薬とマクサルトやレルパックスなどの組み合わせ、重症の方はシングレアやモービック等の予防薬とイミグラン点鼻薬でほぼ完治することが可能になっています。いずれも頭痛外来のある病院で治療することが可能です。当院ホームページの「健康チェック」で頭痛の種類が鑑別できますので受診の参考にして下さい。

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最近、物が二重に見えるため脳神経外科を受診したら脳動脈瘤と診断されました。クリッピング手術を勧められていますが不安です。他に良い方法があったら教えてください
脳動脈瘤の手術は従来のクリッピンク術のほかに更に安全な方法として血管内手術が施行されるようになりました。

 クモ腰下出血の原因である脳動脈瘤は40歳以降の女性に多く発症し、激しい頭痛以外にも目の障害などで発症することがあります。とくに直径20mm以上の巨大動脈瘤を持つ3割以上の患者さんは複視や視力障害などの目の症状で初発し破裂率は70%前後と高いため大変に危険な状態です。手術は動脈瘤頚部クリッピンク手術が約30年以上の歴史を持ち一般的な治療法でしたが約6年前から血管内手術が良好な成績を収めるようになってきています。クリッピング手術は動脈瘤を有視下に露出し瘤の頚部を10mm前後のクリップで閉塞する伝統的な脳外科手術ですが、開頭を要するという最大の欠点があり脳の深部では到達しにくい場所もあるためクリッピングが困難なこともあります。
 血管内手術はGDCコイル塞栓術が代表的な方法ですが開頭することなく血管内カテーテルを介して患者さんに接するため低侵襲で安全性が高く急速に進歩しています。動脈瘤に対する根治術のうち2003年には血管内手術が約15%を占めるまで普及しています。動脈瘤のスタンダードな治療法は依然クリッピンク術が大半を占めますが手術難易度の高い部位の動脈瘤や、高齢者・内科的合併症のある症例には血管内治療が優れていることもあります。脳神経外科の手術も開頭しないで実施される手術が増えてきています。


直径25mmの巨大脳動脈瘤の血管撮影

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右の耳たぶの帯状疱疹のため右後頭部痛が続いて苦しんでいます。
過去に何度か帯状疱疹の経験がありますが良い治療法はありませんか?
帯状疱疹は体力が落ちたときなどに罹りやすく風邪の季節は特に注意が必要です。ワクチンや抗ウイルス剤で予防することも可能です。

 帯状疱疹は福岡では“たず”と呼ばれて忌み嫌われている疾患ですが原因はヘルペスウイルスの感染です。症状は皮膚の発赤疹ですが放置すると厳しい神経痛が待ち受けています。水痘、ラムジーハント症候群、ヘルペス後神経痛、更に単純ヘルペス感染では顔面神経麻痩、ヘルペス脳炎など治療が遅れると重症な後遺症が残る難しい病気です。子供の頃に水痘に罹っていないヒトは大人になって発症すると重症になることも多いのでワクチンの接種が望まれます。帯状疱疹後の神経痛は少なからず出現しますが、治療が早いほど軽くてすみますので病院を受診せず我慢することは後遺症を最大限に悪くすることになります。診断が遅れた場合はウイルスの量が激増しており治療に難渋しますが抗ウイルス剤とワクチンを併用しての管理が必要です。ラムジーハント症候群は耳介部の激痛と発疹および顔面麻痩が起こります。治療が遅れると顔の麻痩と神経痛は治らないこともあります。単純ヘルペス感染による顔面神経麻痩が有名ですが適切で早期であれば殆ど治ります。ステロイドの併用と星状神経ブロックが著効します。単純ヘルペス脳炎は劇症の場合は死に至ることが多く、治療が早くても側頭葉を中心に強度の萎縮が起こり痴呆症が残ります。現在の問題は確定診断の血液検査が数日を要することと、皮疹がない場合は椎間板ヘルニアなどとの鑑別が難しく見過ごされ治療が手遅れになることです。ヘルペスに罹患しやすい40〜50歳頃に水痘ワクチンを接種できれば罹りにくく軽症で終わることも可能です。ヘルペス診療に長けた医師に罹ることがもっとも大切です。


単純ヘルペス脳炎の患音さんのMRI画像、強度の側頭葉の萎縮と痴呆症の後遺症を認めた。

腹部の帯状疱疹の発赤疹で同部位に激痛を認める

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パーキンソン病の母が夜中に目が覚めてうなされてばかりで不眠状態です。
最近症状も進んでいますが何か良い治療法がありませんか?
未治療のパーキンソン病の患者さんの多くが睡眠障害を訴えられます。
パーキンソン病の治療ができると不眠症も改善することがあります。

 パーキンソン病は多くの治療薬が開発され、経過やQOLは大きく改善されました。症状は歩行障害や手足の振るえなどの運動障害が中心ですが、60歳前後の高齢者に発症することが多いため不眠を訴える方がたくさんおられます。不眠の原因として加齢による睡眠障害や夜間頻尿があげられます。さらに下の絵のように姿勢異常を伴う運動障害があり全身の筋肉が強張り寝返りや体位変換が難しくなり、その寝苦しさから頻回に中途覚醒を起こすのです。

 また、筋肉が緊張するため異常な収縮、振戦のほか老年者に多い夜間ミオクローヌスと呼ばれる下肢のピクピクした動きが周期的に起こり、パーキンソン病の進行とともに悪化することが知られています。この不随意運動は睡眠時に特に出現しやすく入眠困難や中途覚醒を起こします。入眠の初期にはα波がレム睡眠期に残っており、せん妄状態などを起こすことがあります。また行動異常の一つとして夜間の独り言も出現しますが、正常な方には見られないためパーキンソン病治療薬が関与するとも考えられています。

 睡眠障害の原因が軽減すれば、当然、不眠症も改善されますが、病初期の患者さんは疾患に対する不安を抱いておられ、不安神経症や抑うつによる睡眠障害が多く見られます。睡眠障害はパーキンソン病の症状を悪化させ、それはまた睡眠障害を起こすというように、悪循環を招くことを考えると不眠症に対する治療もパーキンソン病治療の重要な要素と考えられます。


パーキンソン病患者の姿勢異常(Gowers)


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