最近、友人がフラフラ感がひどくて転びやすいため病院を受診したところ脊髄小脳変性症と言われたようです。どのような病気でしょうか?
脊髄小脳変性症は脊髄や小脳などが変性していく先天性の病気です。動揺性の歩行障害があるため転びやすくなります。

 脊髄小脳変性症は、50才以降の中年に起こる神経の変性疾患で小脳,脳幹,脊髄に病変が出現する失調症状を中心とする疾患群の総称です。厚生省の特定疾患に指定されていますが人口1万人あたり1人程度であり,決して珍しい病気ではありません。
 小脳性運動失調が体幹を中心に出現すると共に小脳性言語障害が加わります。症状としては立ち上がりや歩行が下手で転びやすく、手足の動きが不器用に振るえ書字が下手になり,ろれつが回らなくなります。眼振のため物が揺れて二重に見えたりすることもあります。緩徐に進行し病型によっては家族性、遺伝性に発症し、主要な症状は小脳性ないし後索性運動失調ですが,自律神経症状や痙性対麻痺が出現するものもあります。自律神経症状は排尿障害、起立性低血圧、便秘、発汗障害、体温調節障害、インポテンス、睡眠時無呼吸などです。一方,近年の分子遺伝学の進歩により脊髄小脳変性症の原因は遺伝子病であることが明白になってきました。
 治療薬としてはホルモン剤であるヒルトニンやセレジストが有効で歩行障害などが改善することがあります。更に抗コリン剤のアーテンや抗菌剤であるバクタ−なども有効なことが多く、症状に合わせて処方されます。また運動不足により全身の筋肉が衰え易いので日常のリハビリテーションがとても大切です。

下の写真はMRI検査の図ですが、健常者(左)に比べて、患者さん(右)では橋底部の萎縮が著明で小脳全体にも強度の萎縮が認められます。


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33歳男性会社員です。18歳前後から1〜2年に1回、がまんできない頭痛に悩まされています。治療法がありますか?
群発頭痛と思われますが、男性に多い激しい頭痛で1ヶ月ほど持続します。最近の新薬が著効することがあります。

 男性に多い群発頭痛は頭の片側が痛むところが片頭痛と似ていますが、全く異なるタイプの頭痛です。片頭痛は女性に多いのですが群発頭痛は20〜30代の男性に多く、きりでさされるような、眼球をえぐられるような、焼けるような激しい痛みが特徴で仕事も手に付かなくなります。頭痛がいったん起こり始めると1〜2ヵ月の間、連日のように群発し、ちょうど「群発地震」のような起こり方です。
 発作中は頭痛と同側の目が充血し涙が出たり、鼻が詰まって鼻水が出たり、顔に汗をかいて、まぶたが脹れるなどの自律神経症状も強く出ます。誘発因子は飲酒、光、ニトログリセリン、ヒスタミン等ですのでこれらを避けるようにします。頭をかかえて転げ回るほどの激しさで発作中は左の絵のように片方の眼、眼の上、こめかみのあたりを押さえながらじっとして居られずにウロウロと歩き回ってしまいます。一旦痛みがひどくなると一般の鎮痛薬は効かなくなりますので、激痛が長時間の場合は酸素吸入や新薬であるイミグラン注射で治療します。発作は治るまでに時間がかかるので予防薬であらかじめ発作を抑える事も大切です。
 一般の頭痛薬では治りにくく、専用の治療を要する重症の頭痛です。



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69歳の母親が3年ほど前から瞼(マブタ)がピクピクして、そのうち開眼が困難になりました。病院で眼瞼けいれんという診断を受けたようです。この病気の治療法がありますか?
眼瞼(がんけん)けいれんは両方の瞼がけいれんして、次第に開けにくくなり目がふさがってしまう原因不明の病気です。新しい治療法で治すことができます。

 眼瞼けいれんは突発性あるいは徐々に発症する眼瞼周辺のけいれんでメージュ症候群とも呼ばれています。40〜70歳の中高齢者でとくに女性に多く発症します。目の周辺の筋肉は小さな筋肉の集まりで、それぞれの動きの組み合わせで微妙な表情が作られています。眼瞼けいれんはそれらの筋肉が自分の意志に関係なくけいれんする病気です。まばたきが増えたり、まぶしさを感じたりすることから始まり、症状が重くなるとまぶたが開かなくなって、目が見えない状態にまで進んでしまうこともあります。けいれんの程度が強いと日常生活あるいは仕事に大きな支障をきたし顔がキューっと突っ張ってゆがんだ状態になり美容的にも精神的にもストレスが強く、顔面のマヒが生じることもあります。通常、両側の目に症状が表れますが、そのまま放っておいて自然に治る病気ではありません。
 色々な薬物療法がありますが、特に有効なものは最近開発されたボトックス注射です。けいれんしている筋肉にボトックスを注射することで3〜4ヶ月の間、症状が改善します。年に3〜4回程度、この注射が出来れば、けいれんは治った状態になりますので日常生活に支障のある患者さんにはお勧めです。


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46歳の主婦です。昨年か首が勝手に横を向いてしまって正面を向きにくい状態が続いています。このために肩こりもひどくなり日常生活に困っています。脳の検査が必要でしょうか?
痙性斜頚と思われます。首の筋肉が無意識に異常に収縮する病気でボトックス注射で治すことができます。

 痙性斜頚は、頭頚部の筋収縮、緊張異常により頭や首が勝手に極端に曲がってしまう病気で頚部ジストニアとも呼ばれています。症状は頭部の回旋、側屈、前後屈や、肩挙上、側欝、体のねじれなどが様々な組み合わせで出現し神出鬼没な臨床経過を示します。他の不随意識運動症と同じように神経的ストレス、運動、歩行などで増悪し、安静、臥床、睡眠により消失するので横になる時間が長くなりがちです。通常、30〜40歳代に多発し、人生でもっとも大切な時期だけに社会生活に支障をきたすことが多くなります。脳のMRI検査で基底核などに異常所見を認めることもありますが多くは正常範囲です。原因は視床や脳表あるいは副神経の異常などが考えられていますが詳細は不明です。
 昔から手術や保存療法など様々な治療法が試みられていますが確実な方法は今までありませんでした。手術は定位脳手術あるいは脊髄硬膜外電気刺激法などが行われますが効きにくい場合もあります。保存療法では専用の飲み薬やネックカラー装着が試みられますが、完治することはありませんでした。本症の長期的な予後は良好で、発症後数年から10数年で自然に治ることもあります。最近開発されたボツリヌス菌由来のボトックス注射は安定した効果があり痙性斜頚の治療に注目されています。重症の患者さんには即効性もあり有効な治療法です。


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33歳の主婦です。第3児を出産後に片頭痛が激しくなり市販の頭痛薬を毎日のように服用していますが、いっこうに治りません。もう一人子供が欲しいのですが、お薬が飲めなくなるのが不安です。また5歳の娘も頭やお腹が痛いと言って幼稚園を休みがちで困っています。良い治療法などあったら教えて下さい?
頭痛は親子で似ることがありますが、大人と子供では原因や治療が異なります。大人も子供もそれぞれ専用の治療法で治すことが出来ます。妊娠中のずつうは少し工夫が必要です。

 女性の片頭痛は思春期前後に最初に出現することが殆どですが、妊娠や出産を契機に頭痛が起こることもあります。原因は主に3つで神経伝達物質のセロトニン過剰分泌、女性ホルモン(エストロゲン)の急激な変化、およびアレルギー体質です。いずれの場合も自律神経の調節障害が頭痛を増悪させますので体力増強や免疫力の向上で改善することが出来ます。
 妊娠中の片頭痛はエストロゲンの急激な上昇が原因のため、妊娠の後半6ヶ月は良くなりますが出産後は再び頭痛が現れます。妊娠中の頭痛はなるべく服薬は避け患部を冷やすなどの対策をとり、服薬するなら鎮痛薬ではアセトアミノフェン(カロールなど)が安全です。アスピリン(バファリンなど)は胎児に催奇形性などの悪影響が出るため避けるべき薬です。コーヒー・緑茶は適量であれば頭痛に効果がありますが大量に摂るべきではありません。これらをヒントとして主治医と一緒に治していきます。

 5〜10才位の子供さんの頭痛は鼻炎などのアレルギーを伴うことが多く、自律神経の症状も前面に出やすいので腹痛や下痢、立ちくらみや吐き気、何となく具合が悪い不定愁訴も伴いますが、これらも立派な片頭痛です。抗アレルギー薬が予防薬として良く効きます。子供さんは自分の頭痛を言葉で訴えるのが下手ですので(大人の患者さんも下手ですが!)家族も無視しないで真剣に聴いてあげることが大切です。小児の登校拒否のうち頭痛が主因にも関わらず放置されている事がしばしば見られます。片頭痛は通常、月に5〜6回程度ですが、これよりも頻発する場合は他の原因が潜んでいることがありますので精密検査を要します。


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