こちらでは、院長が地域交流誌『月間つくし』で執筆中の
文章より抜粋したものを掲載しています。
【脳卒中にならないために.1】
【脳卒中にならないために.2】
【痴呆症にならないために】
【めまいについて】
【珍しい頭痛について】
【交通事故について】
【女性と脳神経外科】
【バレリュー症候群】
【脳梗塞にならない方法】
【クモ膜下出血の予防】
【脳内出血にならないために】
【脳梗塞にならない方法】
最新の医療機器を用いると脳梗塞になる前の人を未然に発見する事が可能になってきました。脳梗塞にならないための予防手段がいくつか出来上がっています。
脳梗塞
突然に起こる半身麻痺や言語障害が脳梗塞の主な症状ですが、脳の中の大切な血管が詰まる事により起こります。脳梗塞になる原因は脳内や首の血管の異常、心臓の心房細動などの不整脈などに分類されます。MRI検査は症状の出る前兆の脳の変化(無症候性脳梗塞、かくれ脳梗塞)を見つけるのが得意です。MRAは脳内の血管の異常を、カラードップラーエコーは首の血管の異常を見つけるのが得意です。それぞれ軽症のうちに異常を見つけて治療が開始出来れば、脳梗塞は防げる事になります。
MRA(MRI血管撮影)
脳の内部の血管の検査はMRAが得意です。この検査では動脈硬化の血管は細くなって、流れが淀んでいるのが分かります。将来、この部分が詰まって脳梗塞になる可能性を予測することが出来ます。詰まりかかった血管が解れば薬物などで治療ができます。
カラードップラーエコー
首の内頚動脈は表層にあるため体の中でも動脈硬化の様子を観察するのに一番便利な血管です。高血圧、高脂血症、糖尿病などがある方は、この血管が悪玉コレステロールに被われてプラークを形成し硬く細くなっていきます。カラードップラーエコーで検査するとプラークによる血液の乱流を観察でき脳梗塞の原因となるかどうかが一目瞭然です。壊れやすいプラークは弾けて脳内に飛んでいき脳梗塞を作ることになります。プラークはLDLコレステロールを思い切って下げてあげると弾けないように安定化させる事が出来ます。
正常な頸動脈
50%狭窄して脳梗塞になりやすい
頸動脈のプラーク
【クモ膜下出血の予防】
クモ膜下出血は脳動脈瘤が破裂して起こる珍しくない病気です。脳ドックで未然に発見して予防することが可能です。
日本では年々、高齢化のためにクモ膜下出血の患者さんが増加傾向にあります。脳神経外科はこれまではクモ膜下出血の患者さんを治療するために一生懸命でしかも精一杯でした。ところが最近はMRI(磁気共鳴断層装置)を始め医療機器などの進歩により予防医学が発達し、症状の出る前の人を未然に治療する事が可能になってきたのです。クモ膜下出血にならないための自己防衛手段がいくつか出来上がってきています。
クモ膜下出血
脳動脈瘤により起こるクモ膜下出血は、破裂するまでは無症状です。すなわち破裂すると先程までは元気にお喋りしていた人が、急に頭痛を訴え、昏睡状態になり死亡してしまうこともあります。40才前後の女性に多い疾患ですが、頭痛持ちさんばかりとも限りません。生まれて初めての頭痛がクモ膜下出血のこともあります。当院の脳 ト ゙ ッ クでは受診された方の3%に脳動脈瘤がみつかっており、クモ膜下出血を起こさずに治療することが出来ています。脳動脈瘤のある患者さんが破裂前に脳 ト ゙ ッ クのMRA(MRI血管撮影)により発見され治療ができればクモ膜下出血は予防できます。脳 ト ゙ ッ クがもっと普及すれば将来は撲滅できる可能性のある疾患とも考えられるようになってきたのです。
正常
脳動脈瘤がありクモ膜下出血に
なりやすい状態
【脳内出血にならない為に】
脳内出血
脳の血管が破れて出血が起こると壊れた部分の脳の症状が出現します。血圧が高すぎたり、生まれつき破れやすい血管があると脳内に出血を起こすことになります。脳は他の臓器に比べて出血が起こりやすく、しかも出血すると麻痺や言語障害など致命的な後遺症が出現するのでやっかいです。高血圧などによる脳内出血は昭和の半ばまでは脳溢血と称して成人が倒れる病気の代表格で、脳卒中の大半を占めていました。最近は高血圧の患者さんは治療を受けやすく成っており、脳内出血は激減しています。脳神経外科医もこのところ脳内出血の患者さんにお目にかかることがかなり少なくなってきています。高血圧が長年に亘り持続すると、脳内の卒中動脈が破れやすい動脈硬化の状態になります。脳内出血にならないための予防手段は主に血圧を正常化することです。
高血圧
50年くらい前は血圧を測ることが医者の主要な仕事でした。最近は市役所の片隅や家庭でも自分で血圧をはかることが可能です。高血圧は生まれつきのこともありますが、ストレス、塩分、LDLコレステロール、肥満等の影響による高血圧が圧倒的に多いと言われています。血圧を下げる降圧剤の「一生の間、飲み続けなければならない」という迷信は次第に消えつつあります。新しい降圧剤は脳内出血や心筋梗塞などの病気を防止する効果があり、永年服用するとお薬無しでも正常血圧に戻してくれる事もあります。降圧剤は脳卒中などにならない健康のための薬で、お陰で日本人は長生きになりました。 病気にならない血圧は上が130未満、下が85未満です。
図は左側頭葉の脳内出血。患者さんは失語症と軽度の右片麻痺を認めます。
長年、高血圧を放置されていたために起こりましたが今は熱心にお薬を飲まれてお元気になりました。
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