50代の男性です。10年前から手足が太くなり、顔全体もだんだん大きくなってきました.巨人症ではないかと言われ精密検査中です。
巨人症は成長ホルモンの過剰分泌で起こる疾患ですが、放置すると心臓病や糖尿病などの病気にかかりやすくなります。

 巨人症、末端肥大症(アクロメガリー)は、下垂体の良性腫瘍から成長ホルモン(GH)が過剰に分泌されることにより起こる慢性の進行性疾患です。発生率は毎年100万人当たり3〜4人と推定されており、20〜60歳にみられます。顔貌の変化や手足の肥大といった特徴的な臨床症状がみられますが、GHの過剰分泌が長期にわたると、心血管の肥大・糖尿病・高血圧・高脂血症などを合併する率が非常に高くなり、その結果、心疾患・脳血管障害などを招いて死亡率が高くなります。
症状は主に3つに分類されます。
 過剰なGHによって起こる症状:手足の肥大、下顎の突出・鼻唇の肥厚、巨大舌、多汗  など
 他のホルモンが低下することで起こる症状:月経不順・無月経、疲れやすい、むくみやすい  など
 腫瘍が脳内を圧迫することで起こる症状:頭痛、視力低下・視野狭窄  など

治療は原因である腫瘍を取り除く手術が一般的です。手術が難しい場合や手術後もまだGHが高値の場合などは、薬や放射線による治療を行います。アクロメガリーは、発症から確定診断までに平均9年もの歳月を要しています。その原因として、発症初期には特有の症状が目立たないこと、その他の臨床症状が多岐にわたるため、すぐにはこの疾患が疑われないこと等が挙げられます。また少しずつ進行するため、本人が自覚しにくいこともあります。アクロメガリーはGHが適切にコントロールされれば死亡リスクは低下し、臨床症状の改善が期待される疾患です。深刻な病気を引き起こさないためにも早期発見・早期治療が大切です。


写真は57才のアクロメガリー患者さんの横顔

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頭痛持ちの37才主婦です。最近、肩こりから始まるひどい頭痛で困っています。病院で緊張型頭痛と言われ薬物治療をしていますが一向に良くなりません。
肩こりから始まる片頭痛のようですので、治療を変更すると治ると思われます。

 片頭痛は重症になると家事や仕事ができない程、日常生活に影響がある発作性の頭痛です。片頭痛の予兆の一つに肩こりがあるため、病院で緊張型頭痛と誤って診断されることがあります。 片頭痛に肩こりが伴うことはあまり知られていないのですが、実際には片頭痛患者さんの75%、緊張型頭痛患者さんのほとんどが、頭痛の前後に肩や首のこりを感じていると言われています。
 片頭痛の症状として時間的に一連の「予兆」、「前兆」、「頭痛」、「後症状」がありますが、このうち予兆は「肩こり」や「生あくび」、「空腹感」などが代表的で、中でも一番多いのが「肩こり」です。閃輝暗点などの前兆は一部の人にしかみられませんが、予兆は多くの患者さんに現れ、頭痛の直前に首から後頭部に向かって肩こりがグーッと上がってくるように感じることがあり。これを「肩こりから頭痛が起こる」と患者さんが表現すると、緊張型頭痛と誤診される原因になります。予兆としての肩こりが通常の肩こりと異なる点は突然出現し、生あくびや空腹感など他の随伴症状が同時に起ることです。
 片頭痛の診断に特に重要なのは、普段どおりに家事や仕事ができないなど「日常生活に影響がある」ことです。さらに「動くとガンガン響いて辛い」「吐き気がして吐いてしまう」「光、音、匂いに過敏になる」などの特徴があれば片頭痛が確実と判断されます。体動による症状の悪化は片頭痛であれば比較的早い段階からみられますので、自分で判断する際にも便利です。一方、緊張型頭痛の肩こりは慢性で動いてひどくなるなど症状の動揺や変化が少ないため、重症で発作性の肩こり片頭痛との判別は容易になります。

頭痛外来



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頭痛持ちの36才の女性です。産後から頭痛が激しくなり頭痛外来でトリプタンをもらいましたが効かない事もあり困っています。
片頭痛の特効薬トリプタンも飲み方を間違えると効かない事があります。正確な飲み方を医師から教わって下さい。

 片頭痛の特徴は普段どおりに家事や仕事ができないなど日常生活に影響が出るほどの重症の症状があることです。 片頭痛の特効薬であるトリプタンは高い有効率が期待されますが、使い方を誤るとあまり効果が発揮できないこともあります。特に頭痛が始まって2〜3時間経過した絶頂期や吐き気が強度の時は残念ながらトリプタンの効果が十分に得られません。
 トリプタン製剤を1度試して効果が無かった場合、片頭痛か否かの診断を再度検討します。特に発作性の緊張型頭痛や急性副鼻腔炎との鑑別が大切になります。片頭痛であれば、頭痛発現後30分程度の早めの服用を指導します。少なくとも2〜3回の発作に試しても効果が無い場合はトリプタン製剤の増量や他のトリプタン製剤への変更、特に生理前後の片頭痛にはトリプタン製剤と非ステロイド系抗炎症薬との併用を考慮します。更に月に2回以上の片頭痛発作が定期的に出現する場合は塩酸ロメリジンなどの薬物による予防治療が大切になります。
 服薬時期は頭痛開始早期で髪にさわるとぴりぴり痛む、痛む側の頭を枕に付けて寝られない、顔や手がぴりぴり痛む、めがねを外したい、といった皮膚アロディニアの出現前が望ましいでしょう。また片頭痛治療薬は頭痛発作の経過に合わせて注射、点鼻薬、口腔内溶解剤、錠剤などの使い分けが可能なので、頭痛日記などを作製して診察の時に主治医と話し合う事も有用でしょう.



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最近、話題になっている頚性神経筋症候群について詳しく教えてください。
後頚部の筋肉異常が原因で頭痛、めまい等の症状が慢性的に続く病気ですが、頸部リハビリテーションなどで改善します。

 頭痛やめまい、疲労が慢性的に続く「頚性神経筋症候群」は首の後ろにある筋肉の異常によって引き起こされる病気です。慢性疲労症候群、むち打ち症、めまい、頭痛、うつ状態、パニック症候群、ストレス症候群、自律神経失調症、更年期障害の60%が該当する疾患群で、複数の疾患を合併している場合が殆どです。頭痛や微熱、体がだるい、やる気が出ないなどの不定愁訴にも似た症状が多いため診断されるまでに時間がかかり、複数の病院を受診するドクターショッピングを繰り返す患者さんも多いようです。「頚性神経筋症候群」の診断では、問診、MRIなどの画像診断、平衡機能、瞳孔検査、頚部筋肉の触診による緊張や圧痛がどの程度であるかで判断します。瞳孔の拡大が特徴的ですが、全脊椎の側弯症を含む変形性頚椎症、頸部椎間板ヘルニア、脊柱管狭窄症を合併していることが多くみられます。専用の問診票を用い多くの症状を点数化し後頚部にある僧帽筋、頭板状筋、頭半棘筋、胸鎖乳突筋などからなる筋群上端部の異常緊張や痛みなどを確認し治療計画をたてます。

治療では頸部筋肉の緊張と圧痛を緩和し、柔らかくほぐす必要があります.薬物療法、低周波などの物理療法、鍼灸療法、温熱あるいは冷罨法およびリハビリテーション等などを組み合わせて実施します。治療が奏功すると頭痛、めまいなど多くの症状が劇的に改善することが知られています。


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